カンジダのヨーグルト療法|具体的な塗り方

最初にお断りしておきますがカンジダを発症している時に膣にヨーグルトを塗っても、カンジダが治るわけではありません。
自宅で簡単に誰にも知られず自然治癒させたい。
そんな想いでネットで検索すると見られるのが、ヨーグルトを膣内に塗ったらカンジダの症状が改善した、という噂。試してみたくなった方もいるのではないでしょうか?
ハッキリ言ってしまうと、これは間違いです。
しかし、ヨーグルトはカンジダにとって全く無意味というわけでもありません。
何が正解なのでしょうか?産婦人科医が推奨していた情報をもとに、ヨーグルトをカンジダの再発防止に役立てるための正しい方法をお伝えします。
あくまでも民間療法であり、カンジダの治療や症状の緩和ではなく、予防につながる方法ということを頭に入れた上で、ご参考にしてください。
こちらの記事で紹介しています。
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フェミニーナだけでは治らなかったしつこいカンジダを、体の内側から除菌して自然治癒させた時の話
産婦人科医が推奨している正しいヨーグルト療法のやりかた
まず理解しておきたいのは、ヨーグルト療法はあくまでもカンジダの「予防」が目的であるということ。
膣内にヨーグルトを塗るのは、カンジダになりにくい膣内の環境を維持するため。ヨーグルトがカンジダ菌そのものを退治するわけではありませんので、注意してください。
膣カンジダ症のヨーグルト療法の目的
ヨーグルト療法は、カビである真菌が原因のカンジダだけでなく、細菌性膣炎の予防にも効果的であると言われています。
膣内にヨーグルトを塗るという行為に関しては異を唱える産婦人科医もいますが(こちらのほうが多いです)、中には、ヨーグルトを使用することでカンジダの予防ができるとして推奨している医師もいます。
「どうしても試してみたい」という方だけ自己責任で試してみてください。
ぎゃくに「ちょっと怖い。安全で確実な方法はないの?」
そう思われる方はこちらの記事をおすすめします。カンジダを予防する4種類の乳酸菌のみを確実に摂る方法を紹介しています。私は3年以上前からこのやり方です。
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カンジダを予防する、デーデルライン桿菌の摂り方
膣には自浄作用があり、乳酸桿菌という善玉菌が膣内を酸性に保つことで、雑菌が侵入・繁殖しないように守ってくれています。
しかし、
- 疲れやストレス
- 抗生物質の服用
- 膣内の洗浄のし過ぎ
などの原因で免疫力や自浄性が低下すると、カンジダ菌など普段悪さをしない菌や悪玉菌、細菌が増殖してしまうことがあります。カンジダは性感染症とは違いますので、こうしたちょっとした原因で発症してしまうのです。
抗真菌剤などは増殖してしまったカンジダ菌を抑えるはたらきを持っていますが、膣内が悪化してカンジダ菌が増える環境が整うと、カンジダの予防が難しくなります。
そこで、ヨーグルトに含まれる乳酸菌のはたらきを利用し、
- 膣の自浄性を高める
- 膣内の乳酸桿菌をサポートする
といったことでカンジダ菌が増殖を防ぐのが、ヨーグルト療法の目的なのです。
カンジダに効果があるヨーグルトの塗り方
ヨーグルトを膣内に塗る時に気をつけたいのは、そのタイミング。
ヨーグルトは薬ではありませんので、カンジダが発症している時に塗っても意味がありません。
ここを勘違いしてしまうと「ヨーグルト塗っても全然効果がない!」なんていうことになってしまうますので、注意しましょう。
ヨーグルトを塗るタイミングで正しいのは、カンジダが完治した後、です。
- 病院での洗浄や腟坐剤の挿入
- 自宅での膣錠の使用
などにより、カンジダ菌の増殖をストップさせ、膣内の環境を整えた上でヨーグルトを使用します。
ヨーグルト療法の意味は、あくまでもカンジダの予防。カンジダ菌が増殖して症状が出ている時にヨーグルトを塗っても乳酸菌は生着しないとのことです。注意しましょう。
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しつこいカンジダを、体の内側から除菌して自然治癒させた時の話
カンジダに効くヨーグルト市販品の選び方
カンジダ予防のためにヨーグルト療法を行う時は、ヨーグルトの選び方にも注意が必要です。
おすすめなのは、
- ラクトフェリンが配合されている
- 生きた乳酸菌が配合されている
- アシドフィルス菌が配合されている
- 砂糖が入っていない
といった特徴を持つヨーグルト。よくあるビフィズス菌配合のヨーグルトよりも、これらの方がヨーグルト療法では効果が期待できます。
ラクトフェリンは乳酸菌とはちょっと違うものですが、免疫力のアップには高い効果が期待される成分です。
また、アシドフィルス菌(ラクトバチルス・アシドフィルス)は人間の腸や生殖器などにも存在している乳酸桿菌であるため、膣内の乳酸桿菌をサポートしてカンジダ菌の増殖を効率よく抑えるために役立つことが期待できます。
ホントに膣の中にヨーグルトを塗るの?
ヨーグルトを膣に塗る、というと抵抗を感じる方も多いことでしょう。しかしヨーグルト療法では、膣周辺、外陰部だけにヨーグルトを塗るだけではカンジダ予防の効果は十分に発揮できないと考えられます。
膣内の乳酸桿菌のはたらきをサポートするためには、ヨーグルトをきちんと膣内に塗り、乳酸菌の生着を促すことが大切です。
1日何回、どれくらい塗る?ヨーグルト療法の具体的ポイント
ヨーグルトを塗る時のポイントは、以下のとおり。
- ヨーグルトを塗るのは1日1回~数回
- 1回にティースプーン1杯程度の量を塗る
- 2週間以上続けて毎日塗る
ヨーグルトに含まれる乳酸菌が膣内に生着するまでには、2週間程度の時間が必要だと考えられています。数日でやめずに、毎日続けて塗ることで膣内環境がととのい、自浄性がアップする可能性が高まります。
ヨーグルトを塗る時の注意点
膣内にヨーグルトを塗る時は、
- 手指は石鹸でキレイに洗ってから塗る
- 塗った後は洗い流さず、そのままにする
というポイントを守りましょう。
膣に直接触れる手や指を清潔にするのは、カンジダ菌だけでなくほかの雑菌の繁殖を防ぐためにも大切です。塗った後はそのまま膣を洗い流さずに過ごすようにしましょう。
上手く塗れない場合は
- 少量のヨーグルトを指につけて膣内に挿入する
- 少量のヨーグルトを凍らせて膣錠として使う
という方法を試してみましょう。
乳酸菌は凍らせても死滅せず、休眠するだけですので、膣内に挿入すればそのはたらきを再開してくれると考えられます。
不潔?臭いは?ヨーグルト療法の疑問点
膣内にヨーグルトを塗ると聞いて心配になるのは、やはり衛生面。食べ物を塗ることに抵抗があるのはもちろん、嫌な臭いがしないかも不安ですよね。
ヨーグルト療法は、雑菌が繁殖して発生する細菌性膣症に対しても有効性が期待されることから、ヨーグルトを塗ったからといって膣内が不潔になったり、雑菌が増えたりするようなことはおそらくないと考えられます。ヨーグルトを塗る前には必ず手や指をきちんと洗って清潔にしておくようにしましょう。
また、ヨーグルトは空気中に放置すれば他の細菌によって腐敗してしまいますが、膣内で腐敗することはありません。
ただ、塗ったヨーグルトが膣から出て下着やおりものシートに付着したまま放置しておくと、臭いの原因になってしまいます。おりものシートなどは常に新しいものと交換して清潔を保ちましょう。
ヨーグルト療法についてのその他の疑問
R1ヨーグルトはどうなの?
免疫力を上げることで一躍有名になったR1ヨーグルトですが、膣内に塗るのは避けたほうがいいでしょう。
砂糖や人工甘味料が含まれており、カンジダ真菌に栄養を与えてしまいます。
R1ヨーグルトを飲もうと考えていたのなら、こちらの記事を先に確認したほうが良いでしょう。
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カンジダを予防する、デーデルライン桿菌とは?摂り方は?
生理中はどうするの?
生理の場合は、ヨーグルトを塗っても経血と一緒に流れ出てしまいます。ヨーグルト療法はお休みしましょう。
ヨーグルト療法中は性交してもOK?
ヨーグルトは薬ではありませんし、ヨーグルト療法もカンジダが完治してから行うものです。
性交しても何ら問題はありません。また、性交後すぐにヨーグルトを塗ってもOKです。
カンジダ予防効果のある乳酸菌とは
一般には知られていないのですが、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、膣内に存在する常在菌と似ているものの、完全に同じではありません。ここを理解しないといつまでたってもカンジダが再発する羽目に陥ります。
ヨーグルト療法のカギはデーデルライン桿菌
膣内には、デーデルライン桿菌と呼ばれる菌の集団が存在し、自浄作用を担っています。ヨーグルト療法は、このデーデルライン桿菌をサポートするために乳酸菌を取り入れて、膣内に生着させようというもの。
デーデルライン桿菌でよく知られているのは、
- ラクトバチルス・アシドフィルス
- ラクトバチルス・ラムノーサス
- ラクトバチルス・ロイテリ
- ラクトバチルス・プランタラム
の4つの菌。そのため、ヨーグルト療法においてはこれらの4つの菌が入ったヨーグルトを使用する必要があります。
このうち、ロイテリ菌とプランタラム菌が配合されている市販のヨーグルトや食品はまず見当たりませんので、アシドフィルス菌とラムノーサス菌が入ったヨーグルトを使用してみましょう。
現在市販されているのものでは、
- アシドフィルス菌…オハヨー乳業のL-55乳酸菌の入ったヨーグルト
- ラムノーサス菌…タカナシ乳業のLGG乳酸菌の入ったヨーグルト(特定保健用食品)
があります。スーパーなどでも手に入りますので、探してみてくださいね。
ヨーグルト療法では効果がないケースもある?!
ヨーグルト療法では、カンジダが発生する原因が膣の自浄性低下ではない場合、その効果は残念ながら期待できないとされています。
たとえば、
- パートナーがカンジダの感染源になっている
- 糖尿病などの疾患が原因で全身の免疫力が低下している
といったケースがそれに当たります。
このような時は、いくらヨーグルト療法で膣内に乳酸菌を生着させても意味がありません。パートナーのカンジダ治療や、糖尿病の治療を優先させてください。
ヨーグルトは、食べることでも免疫力を高めて腸内環境を改善し、カンジダの予防につながる可能性がありますが、膣内に塗ることでより高い予防効果が期待できます。
ただ、あくまでも民間療法としての予防法だということを忘れないようにしましょう。ヨーグルト療法の目的と正しい方法をしっかりと理解し、自己責任でお試しくださいね。