これってトリコモナス膣炎?それともカンジタ膣炎?二つの違いを徹底比較

おりものがいつとも違う、デリケートゾーンにかゆみがある場合、膣炎を疑う方も多いのではないでしょうか。
代表的なものに、トリコモナス膣炎、カンジタ膣炎があります。今回は、二つの違いをご説明します。
トリコモナス膣炎、カンジタ膣炎の症状
二つに共通する症状に、デリケートゾーンのかゆみ、膣の刺激感、性行為痛、おりものの悪臭があります。
違うところはおりものの形状で、トリコモナス膣炎は泡立ったようなおりものが出てきますが、カンジタ膣炎はカッテージチーズのようなおりものが出てきます。
おりものがおかしいと思ったら、しっかりと観察してみてくださいね。
トリコモナス膣炎、カンジタ膣炎の原因
同じ膣炎でも原因は全く違います。
トリコモナス膣炎の原因は、トリコモナス原虫という寄生虫に感染すること。
カンジタ膣炎の原因は、普段から膣内に存在する常在菌であるカンジタ菌が、何らかの理由から増殖してしまうことです。
カンジタ菌は普段から体の中にいる菌なので、誰でもかかる可能性のある病気ですが、トリコモナス原虫は体にいるはずのない菌なので、どこかで感染しない限りかかることのない病気です。
トリコモナス膣炎、カンジタ膣炎の感染経路
二つとも性感染症の病気なので、もちろん性行為でも感染します。しかし感染率が違います。
トリコモナス膣炎は感染力が強く、性行為でほぼ感染すると言われていますが、カンジタ膣炎が性行為で感染するのはあまり多くないようです。
カンジタ膣炎の一番の感染経路は、自分からの自然発症です。
ではトリコモナス膣炎は性行為だけで感染するのかというとそうではなく、便座、浴槽、タオルなどからも感染する恐れがあるので、カンジタ膣炎のように性行経験のない人でもかかります。
トリコモナス膣炎、カンジタ膣炎の治療法
二つとも薬剤治療を行いますが、薬が全く違います。
トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫に効果のある抗原虫剤を使用します。
カンジタ膣炎は、カンジタ菌に効果のある真菌剤を使用します。
治療方法を間違えると、病気が治るどころか悪化してしまう恐れがあるので、間違えないように気をつけてください。安易な自己判断は危険です。
トリコモナス膣炎、カンジタ膣炎は自然に治る?再発は?
カンジタ膣炎は軽症であれば治癒することもありますが、トリコモナス膣炎は治療しない限り治りません。
トリコモナス膣炎はきちんと完治するまで治療をすれば再発しませんが、カンジタ膣炎は再発しやすい病気です。
トリコモナス膣炎、カンジタ膣炎の違いについてご説明させていただきました。
二つに共通していることですが、きちんと治しておかないと不妊の原因になってしまいます。デリケートゾーンに異常を感じたら、まずは婦人科を受診してみてくださいね。